1 億 1 千万円!!

1 億 1 千万円!!

1億1千万円の絵を、実際に見てきました。 そのとき感じたことが、値決めの本質そのものでした。

「これ1億か~」

昨年のことになりますが、1億1千万円で落札された奈良美智の新作絵画が公開されるということで、豊田市美術館の開館25周年展「DISTANCE いま見える景色」に行きました。

作品は結構大きかったし、良かったのですが——正直な感想は、

「これ1億か~」

でした。

価値は、受け取る側で決まる

ものの価値は、物質としての価値ではありません。 キャンバスと絵具の値段ではないのです。

受け取る側の価値観で決まります。

私にとっては「1億か~」でした。でも、1億1千万円を払った人にとっては、その値打ちがあった。 どちらが正しいという話ではありません。価値とは、そういうものです。

これは、アートだけの話ではない

商品やサービスの価格も、まったく同じ構造です。

原価でもなく、相場でもなく、お客さんが感じる価値で決まります。

ということは——

「うちの商品は価格が高すぎる」という悩みは、たんなる幻想かもしれません。

高すぎるのではなく、価値を感じる人に届いていないだけ、という可能性があります。

だから、やるべきことは3つ

① 「絶対に欲しい」と思ってもらえる商品にする

必要だと思ってもらえれば、価格は問題になりません。 逆に、必要だと思われていない商品は、いくら安くても売れません。

② 安売りをしない

価値に見合った価格をつけてください。

安売りをすると、価格だけで選ぶお客さんが集まります。 その層は、より安いところが現れれば必ず移ります。残らない客を集めるために、利益を削ることになります。

③ 全ての人を対象にしない

ここが一番大事です。

全員に向けて価格を決めると、最も価値を感じていない人に合わせることになります。 価格は際限なく下がります。

そして下がった分、本当に必要としている人に届けるための時間や品質まで削ることになる。 これが一番もったいない。

あなたの商品に大きな価値を感じてくれる人だけを、対象にしてください。

「高い」と言われたときの判断

言われた瞬間に下げないでください。まず、言ったのが誰かを見ます。

誰が言ったか対応
価値を感じている人伝え方に改善の余地がある。価格ではなく説明を直す
もともと対象ではない人下げなくていい。その人は元々お客様ではない

全員に「安い」と思ってもらえる価格は、たいてい誰の役にも立たない価格です。

今日やること

紙に、こう書いてください。

① 直近1年で、一番利益をもたらしてくれたお客様 上位3人
② その3人は、うちの何に価値を感じてくれているか
③ その3人は、価格を理由に選んだか?   YES / NO

③がNOなら、いま価格を下げる理由はありません。

比べる相手を変えるだけで同じ商品が安く見える話は“適正価格”は誰が決めるのかに、安売りがどう利益を溶かすかは安売りが利益を“溶かす”仕組みに書いています。

ちなみに

1億1千万円が手元にあったら、あなたはこの絵を買いますか。

私は、おそらく買いません。絵画は大好きですが、5千万円くらいのものを買って、残りの5千万円でスーパーカーを買うかな、と。

投資として購入して、2億円で転売を考える人も多いかもしれませんね。いずれにしても、夢のゆめですが。

あわせて読みたい: “適正価格”は誰が決めるのか / 安売りが利益を“溶かす”仕組み

値段は、あなたの商品の「価値の宣言」です。 堂々といきましょう。応援しています!

よくある質問

商品の価格は、何を基準に決めればいいですか?

原価でも相場でもなく、お客さんが感じる価値です。同じものでも、必要としている人にとっては安く、そうでない人にとっては高く感じられます。まず「誰にとっての価値か」を決めてください。それが決まらないうちは、いくらが適正かを議論しても答えは出ません。

「価格が高すぎる」と言われたら、下げるべきですか?

その言葉を言ったのが誰かによります。あなたの商品に価値を感じている人が言ったのなら、伝え方に改善の余地があります。もともと対象ではない人が言ったのなら、下げる必要はありません。全員に安いと思ってもらう価格は、たいてい誰の役にも立たない価格です。

全ての人を対象にしてはいけないのはなぜですか?

価値の感じ方が人によって違うからです。全員に向けて価格を決めると、最も価値を感じていない人に合わせることになり、価格は際限なく下がります。結果として、本当に必要としている人に届けるための時間や品質まで削ることになります。

安売りをやめたいのですが、客離れが怖いです。

離れるのは、価格だけで選んでいたお客さんです。その層は、より安いところが出れば必ず移ります。まず「価値を感じてくれている既存客が誰か」を数字で確かめてください。売上の大部分をその層が占めているなら、価格を戻しても影響は想像より小さいはずです。

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