産業廃棄物処理業 許可更新の
経営診断書
許可の更新にあたって、「経理的基礎」を問われた——。 赤字や債務超過が続いていると、更新の審査でこの壁にぶつかります。 そのときに必要になるのが、経営診断書です。
この書類を作れるのは、2つの資格だけです
中小企業診断士 または 公認会計士
愛知県の審査基準でも、この2つが作成者として指定されています。 顧問税理士や行政書士では作成できないため、別途の依頼が必要になります。
そもそも「経理的基礎」とは何か
産業廃棄物処理業の許可は、5年ごと(優良認定を受けた場合は7年ごと)の更新が必要です。その審査では 「この会社は、事業を継続できるだけの財務状況にあるか」が見られます。これが 経理的基礎です。
処理業は、途中で会社が立ち行かなくなると、廃棄物が行き場を失って社会的な問題になります。 だからこそ、他の許認可より財務を厳しく見られるわけです。
どんなときに経営診断書が必要になるのか
黒字が続いていれば、多くの場合この書類は不要です。見られるのは1つの数字ではなく、 数字の組み合わせです。愛知県の審査基準(収集運搬業・積替保管なし)では、 次のようなときに必要になります。数字は「経常利益+減価償却費」(経常利益金額等)で見ます。
- 法人:3年平均と直前期がともにマイナスで、自己資本比率が0〜10%未満(10%以上でも、赤字の幅が急に広がった場合などは該当)
- 法人:3年平均がマイナス、直前期がプラスで、債務超過
- 法人:3年平均がプラスで、債務超過(直前期の落ち込みが大きい、自己資本比率がマイナス30%未満、流動比率が50%未満などの条件に当たる場合)
- 法人:3年平均も直前期もマイナスで、債務超過(基準を満たさないため、更新申請では下の特例による)
- 個人:資産が負債を下回り、直前3年に所得税を納めた年がある
- 法人・個人:営業実績が3年未満
※ 積替保管を含む場合は、条件がより厳しくなります。基準や運用は自治体・時期によって変わるので、必ず管轄の窓口で最新の基準をご確認ください。 愛知県の場合は資源循環推進課が窓口です。組み合わせの一覧と、更新の必要書類は 産廃収集運搬の許可更新、必要書類は?に、期限が迫っているときの考え方は 許可更新が間に合わない?にまとめています。
赤字でも、債務超過でも、更新できる場合があります
ここが一番お伝えしたいところです。数字が悪いから即アウト、ではありません。
愛知県の基準では、今後5年間の収支計画にもとづく経営診断書を添付し、 5年以内に健全な経営に戻る見通しを示すことで、経理的基礎を認める組み合わせがあります。 3年平均も直前期もマイナスで債務超過という最も厳しい場合でも、更新申請に限って、 新型コロナの影響による悪化であることと5年以内の回復を経営診断書で示す特例があります。 つまり「今は苦しいが、こうやって立て直す」という道筋を、数字で示せるかどうかです。
大事なのは、過去の数字ではなくこれからの計画に説得力があるか。 だから、決算書を出すだけでは足りないんです。
通る計画と、通らない計画は何が違うのか
では「説得力がある」とは、具体的にどういうことか。 数字の根拠を、言葉で説明できるかどうかです。
よくないのは、売上の欄を毎年少しずつ増やしただけの計画です。 数字としては5年後に黒字になっていても、なぜそうなるのかが書かれていない。 審査する側から見れば、願望を並べたものと区別がつきません。
逆に、伸び幅が小さくても筋が通る計画があります。 「この取引先との契約が来期から始まる」「この設備の返済が再来期で終わる」 「この経費を来期から削る」——そうなる理由が具体的に示されていれば、 数字は控えめでも説明がつきます。
だから、こちらがお聞きするのは決算書の中身だけではありません。 いま何が起きていて、これから何が変わるのか。 その材料がないと、通る計画は組み立てられません。 逆に言えば、材料さえあれば、数字が悪くても道筋は描けます。
対応内容
- 決算書(直近3期)の財務分析
- 財務状況の整理
- 経営状況の確認
- 5年間収支計画の作成
- 経営診断書の作成
ご準備いただく資料
- 直近3期の決算書
- 借入状況が分かるもの
- 売上の見込み
- 事業の状況(簡単なヒアリングでお伺いします)
作成の流れ
- 資料の確認 決算書などを拝見し、要件に該当するかを確認します
- 財務状況の整理・分析 どこが評価を下げているのかを特定します
- 収支計画の作成 5年で健全化に向かう道筋を、数字で組み立てます
- 経営診断書の作成 提出できる形にまとめてお渡しします
資料がそろっていれば2週間前後が目安です。ただし更新期限の直前は慌ただしくなるので、 期限の2〜3か月前から動き始めると安心です。
いつから動けばいいか
更新期限の2〜3か月前が目安です。作成そのものは資料がそろっていれば 2週間前後ですが、それは「そろっていれば」の話です。
実際には、決算書を探すところから始まることが多くあります。 借入の残高が分かる書類、来期の受注の見込み—— こうしたものを集める時間が、思ったよりかかります。 そのうえで、行政の窓口とのやり取りの時間も要ります。
更新申請の受付時期は自治体ごとに定めがあります。 いつからいつまでに出すのかを、まず管轄の窓口でご確認ください。 そこから逆算すると、動き始める日が決まります。
すでに期限が近い場合も、まずご相談ください。 間に合わないと判断した場合は、その旨を正直にお伝えします。 無理にお受けして間に合わないほうが、御社にとって困ることになるためです。
この10万円で、何をするのか
経営診断書の作成 10万円(税別)
含まれるのは、直近3期の財務分析と5年間の収支計画の作成です。 作業の中心は、後者にあります。
決算書の数字を様式に書き写す作業ではありません。 いまの財務のどこが評価を下げているのかを特定し、 それが5年でどう変わるのかを、根拠を添えて組み立てる。 審査で見られるのは、この部分です。
そのために、決算書を読むだけでなく、 事業の状況をお聞きします(簡単なヒアリングです。決算書以外の資料は求めません)。 材料がないまま数字だけを作ると、さきほどの「通らない計画」になってしまうためです。
※ 内容により別途相談となる場合があります。
※ 提出後に行政から確認が入った場合の対応も、追加費用なく含みます。
よくある勘違い
- 「顧問税理士に頼めばいい」
- この書類に限っては、税理士は作成者として認められていません。 愛知県の審査基準では中小企業診断士または公認会計士が指定されています。 役割が違うだけで、優劣の話ではありません。 決算書は顧問税理士が作られたものを、そのまま使います。
- 「決算書を出せば済む」
- 決算書は過去の記録です。審査で見られるのは これから5年でどう立て直すかのほう。 そこを示す書類が、経営診断書です。
- 「赤字だから、もう無理だ」
- 赤字や債務超過でも、更新できる場合があります。 数字が悪いこと自体ではなく、立て直す道筋を示せるかどうかが見られます。 あきらめる前に、一度ご相談ください。
- 「黒字だから関係ない」
- 「経常利益+減価償却費」の3年平均がマイナスで、直前期が債務超過なら、直近が黒字でも必要になります。 まず決算書で3期分を確認してください。
対応地域
愛知県全域。東海市・半田市・知多市・常滑市・大府市・知多半島地域などを中心に対応しています。
よくあるご質問
経営診断書は誰が作成できますか?
中小企業診断士または公認会計士に限られます。愛知県の審査基準でもこの2つが指定されており、税理士や行政書士は作成者として明記されていません。顧問税理士がいる会社でも、この書類だけは別に依頼が必要になります。
どんなときに経営診断書が必要になりますか?
決算書の数字の組み合わせで決まります。愛知県の審査基準(収集運搬業・積替保管なし・法人)では、「経常利益に減価償却費を足した額」の直前3年の平均と直前期、債務超過かどうか、自己資本比率を組み合わせて判断します。たとえば、3年平均と直前期がともにマイナスで自己資本比率が10%未満のとき、3年平均がマイナスで直前期が債務超過のときに必要です。営業実績が3年未満の場合も必要です。マイナスが1つあるだけでは不要なこともあるので、まず決算書3期分で確かめてください。
赤字や債務超過でも、許可は更新できますか?
可能な場合があります。愛知県の基準では、今後5年間の収支計画にもとづく経営診断書を添付し、5年以内に健全な経営に戻る見通しを示すことで経理的基礎を認める組み合わせがあります。3年平均も直前期もマイナスで債務超過という最も厳しい場合でも、更新申請に限り、新型コロナの影響による悪化であることと5年以内の回復を経営診断書で示す特例があります。要件や運用は自治体・時期によって変わるため、必ず管轄の窓口で最新の基準を確認してください。
作成にはどのくらい時間がかかりますか?
資料がそろっていれば、確認から作成まで2週間前後が目安です。ただし更新期限の直前は準備が慌ただしくなるため、期限の2〜3か月前から動き始めると安心です。決算書の内容によっては、追加の確認が必要になることもあります。
どんな収支計画なら通りますか?
数字の根拠を説明できることです。売上を右肩上がりに置いただけの計画は、そうなる理由が書かれていないため説明がつきません。逆に「この取引先との契約が来期から始まる」「この経費を来期から削る」といった具体的な裏づけがあれば、伸び幅が小さくても筋が通ります。見られているのは過去の数字ではなく、これからの道筋に説得力があるかどうかです。
顧問税理士に頼むことはできませんか?
この書類に限っては、税理士は作成者として認められていません。愛知県の審査基準では中小企業診断士または公認会計士が指定されています。役割が違うだけで、優劣の話ではありません。日々の税務・決算は顧問税理士、この書類はこちら、という分担になります。決算書は顧問税理士が作られたものをそのまま使います。
費用はいくらですか?何が含まれますか?
10万円(税別)です。含まれるのは、直近3期の財務分析と、5年間の収支計画の作成です。作業の中心は後者で、決算書の数字を書き写すのではなく、5年で健全化に向かう道筋を、根拠を添えて組み立てます。ここが審査で見られる部分だからです。内容により別途相談となる場合があります。
更新期限が迫っています。間に合いますか?
資料がそろっていれば2週間前後が目安ですが、期限までの残り時間によります。まず、いつまでに提出が必要かをお知らせください。間に合わないと判断した場合は、その旨を正直にお伝えします。無理に受けて間に合わないほうが、御社にとって困ることになるためです。更新申請の受付時期は自治体ごとに定めがあるので、管轄の窓口にもあわせてご確認ください。
愛知県以外でも対応できますか?
対応できます。ただし審査の基準や必要書類は自治体ごとに異なるため、管轄の窓口で最新の要領をご確認いただき、その内容にそって作成します。ご相談の際に、どの自治体への提出かをお知らせください。