業務効率化の効果を、金額で計算する
「20分かかっていた作業が、5分になりました」
——それは、月いくらの得ですか。
この問いに答えられないまま進めると、判断ができません。 時間が減ったことは分かる。でも、それが投資に見合うのかが分からない。 だから「効果があった気がする」で終わり、次に何をすればいいかも決まらない。
時間を金額に直すと、この問題が消えます。 計算は掛け算だけです。今日は、その手順を全部お渡しします。
たとえば1回20分の作業を月40回、担当者の時給が1,500円なら——
20分 ÷ 60 = 0.33時間
0.33 × 40回 × 1,500円 = 月 約2万円
年間にすると 約24万円
「面倒な作業」が「年24万円の作業」に変わりました。 ここまで来ると、判断ができます。年24万円かかっているなら、 10万円の仕組みを作る価値はある。逆に年2万円なら、放っておいたほうがいい。
手順は、6つです
1作業を1つ選んで、時間を測る
ストップウォッチで1回だけ測れば十分です。「だいたい20分」で構いません。精度より、測ってみることのほうが大事です。たいてい、思っているより長くかかっています。
やること:1回あたり何分かかっているかを、実際に測って書き留める
2月に何回やっているかを数える
毎日なら月20回、週1回なら月4回。ここも概算で構いません。ただし「繁忙期だけ多い」という作業は、年間の合計で数えたほうが実態に合います。
やること:月の回数(または年の回数)を出す
3時給を掛ける
実際に払っている額で計算します。月給30万円の社員なら、月160時間として時給1,875円。社長自身がやっている作業なら、時給はもっと高く置いてください。
やること:1回の時間(時) × 月の回数 × 時給 = その作業の月額
4同じことを、10個の作業でやる
1つだけ計算しても、順番は決まりません。思いつく作業を10個ほど並べて、全部を金額にします。ここで景色が変わります。「いちばん面倒な作業」と「いちばん金額の大きい作業」は、たいてい一致しません。
やること:作業名・1回の時間・月の回数・月額 の4列で表にする
5金額の大きい順に並べ替える
ここまでで、どこから手をつけるかの候補が出ます。ただし、金額だけで決めてはいけません。次の段階があります。
やること:月額の大きい順に並べ替える
6「置き換えやすさ」で、もう一度見る
金額が大きくても、判断や交渉が含まれる作業は置き換えにくい。逆に金額が小さくても、毎日発生して手順が決まっているものは置き換えやすく、効果も安定します。金額 × 置き換えやすさ、の2軸で見ます。
やること:各作業に「手順が決まっているか」「判断が要るか」を○×で付ける
やってみると、たいてい順番が変わります
この計算をすると、多くの会社で同じことが起きます。 「いちばん面倒だと思っていた作業」が、金額では上位に来ないのです。
| よくある思い込み | 計算すると |
|---|---|
| 月末の請求書作成が、いちばん大変 | 月1回なので、金額では下位のことが多い |
| 毎日の受注メールの転記は、すぐ終わる | 1回5分でも、毎日なら月100分。上位に来ることがある |
| 社長がやっている確認作業は、仕方ない | 社長の時給で計算すると、金額が跳ね上がる |
毎日の小さな作業ほど、金額では大きくなります。 逆に、めったに発生しないが重い作業は、金額では下位に来る。 感覚と数字がずれるのは、頻度が見えていないからです。
金額を出す目的の半分は、「やらない」と決めるためです
金額が出ると、投資していい額の上限が決まります。 年24万円かかっている作業なら、10万円の仕組みは1年経たずに回収できます。 逆に、年2万円しか削れない作業に50万円かけるのは損です。
既製品のソフトで足りることも多くあります。 月数千円のサービスで済むなら、作る必要はありません。 金額を出しておくと、この判断が数字でできます。
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担当するのは
中小企業診断士(経済産業大臣登録)の吉田直樹が担当します。 製鋼プロセスの技術開発に6年、設備診断に20年携わり、 現場で「どの作業に、どれだけ時間がかかっているか」を実際に測ってきました。
あわせて、実際に動くツールを自分で作ります。 だから「これは既製品で足ります」「これは作れます」「これはやらないほうがいい」を、 その場で判断してお伝えできます。ご相談は代表がそのまま担当します。
よくあるご質問
- 業務効率化の効果は、どうやって金額にするのですか?
- 「1回あたりの時間 × 月の回数 × 時給」で出します。たとえば1回20分の作業を月40回やっていて、担当者の時給が1,500円なら、20分÷60×40×1,500=月2万円。年間24万円です。この計算をすると、「面倒な作業」が「年24万円の作業」に変わります。どちらが判断しやすいかは明らかです。
- 時給はいくらで計算すればいいですか?
- 実際に払っている額で構いません。月給30万円の社員なら、月160時間として時給1,875円。社会保険料などを含めるともう少し上がりますが、最初は概算で十分です。精度を上げるのは、着手する順番が決まってからでいいからです。社長自身がやっている作業なら、時給はもっと高く置いてください。
- 削減できた時間は、そのまま利益になりますか?
- なりません。ここが誤解されやすいところです。空いた時間で何もしなければ、人件費は変わらないので利益は増えません。金額に直すのは「どの作業から手をつけるか」を決めるためであって、その額がそのまま利益になるという意味ではありません。空いた時間を何に使うかまで決めて、初めて効果が出ます。
- どの作業から手をつければいいですか?
- 金額の大きい順です。ただし例外があります。金額が大きくても、その作業に判断や交渉が含まれていれば、自動化は難しい。逆に金額が小さくても、毎日発生して手順が決まっているものは、置き換えやすく効果も安定します。金額で並べたうえで、置き換えやすさを見る、という2段階になります。
- 全部を自動化したほうがいいのですか?
- いいえ。費用対効果が合わないものは、やらないほうがいいです。月2,000円しか削れない作業に、50万円かけて仕組みを作るのは損です。既製品のソフトで足りることも多くあります。金額を出す目的の半分は、「やらない」と決めるためです。
この計算を、ご一緒にやります
AI活用診断は無料です。事前の準備は要りません。
「AIで何ができるのか分からない」という状態で結構です。
お会いした場で、業務を書き出すところからご一緒に整理します(60分程度・オンライン可)。
費用対効果が合わないものは「やらないほうがいい」とお伝えします。