値上げでお客さんが離れる不安を、データで小さくする

上げなければ、利益が持たない。
でも上げたら、お客さまが離れるかもしれない。
この不安の正体は、「誰が離れるか分からない」ことです。

分からないから、全員が離れる前提で考えてしまう。 実際には、離れる人と残る人は事前にある程度分けられます。 分けられれば、不安は「見積もれるリスク」に変わります。 値上げをするかどうかは、そのあとで決めれば十分です。

手順は、5つです

1離れる人と、残る人を分ける

「お客さまが離れる」と考えるとき、たいてい全員が同じ反応をする前提になっています。実際には違います。値段だけで選んでいた人は離れ、利便性・近さ・関係性で選んでいた人は残ります。まず、自社のお客さまがどちらに寄っているかを見ます。

やること:直近1年で、来店(購入)回数が3回以上の人が全体の何割かを数える。この層は、値段以外の理由で選んでいる可能性が高い層です

2上げる商品を、データで選ぶ

一律の値上げが、いちばん離れます。商品ごとに「上げても離れにくいもの」と「離れやすいもの」があり、それは購入の頻度と、他店と比べやすいかどうかで決まります。毎日買うもの・比較しやすいものから上げると、真っ先に気づかれます。

やること:売上上位の品目を、①購入頻度が高いか低いか ②他所で代わりが利くか の2軸で並べる。**頻度が低く、代わりが利かないもの**から上げます

3上げ幅を、利益から逆算する

「とりあえず1割」と決めてしまう会社が多くあります。原価と同じ額を乗せれば、粗利の「金額」は守れます。ただし守れるだけで、増えません。その間に人件費も電気代も上がっているなら、それでは足りない。必要な上げ幅は「原価の上昇額 + 増えた固定費 ÷ 販売数量」です。

やること:去年と比べて**毎月の固定費がいくら増えたか**を出す。それを月の販売数で割った額を、原価の上昇分に足す。**同額転嫁で足りたと思い込まない**

4伝え方を用意する

値段そのものより、「知らされていなかった」という感情のほうが離反を招きます。常連のお客さまには、一斉告知の前に直接お伝えする。理由は正直に書く。原価が上がったなら、そう書いて構いません。曖昧にするほど、勘ぐられます。

やること:実施の1〜2か月前に告知する。常連には先に伝える。**値上げと同時に、何か1つ良くなることを添えられないかを考える**

5上げたあと、客数と客単価を分けて追う

ここを飛ばす会社が非常に多くあります。売上の合計だけを見ていると、成功も失敗も判断できません。客数が5%減って客単価が15%上がっているなら成功ですが、合計だけでは「思ったより伸びていない」としか分かりません。

やること:値上げの前後3か月で、①客数 ②客単価 ③離れたのは新規か常連か を分けて記録する。**常連が離れているなら、値段ではなく伝え方の問題**

値上げ以外の手も、同時に考えてください

値上げは選択肢の一つであって、唯一の手ではありません。 買い方の設計を変えるだけで、単価が動くことがあります。 値段は据え置いたまま、組み合わせや量や売り方を変える。 これなら、離反のリスクを負わずに済みます。

ただし、原価が上がり続けている状況では、いずれ値上げが必要になります。 他の手で時間を稼ぎながら、準備を進めるのが現実的です。 準備しておけば、上げると決めた日にすぐ動けます。

取引先との交渉なら、話が変わります

ここまでは、お客さま(消費者・エンドユーザー)に向けた値上げの話です。 取引先との価格交渉は、別の準備が要ります。 相手の担当者が社内で稟議を通せる形にしないと、その場では良い返事でも通りません。

労務費の価格転嫁が通らないとき、何を持っていくか に、そちらの手順を書いています。

担当するのは

中小企業診断士(経済産業大臣登録)の吉田直樹が担当します。 製鋼プロセスの技術開発に6年、設備診断に20年携わり、 原価がどう積み上がるかを、現場で見てきました。 ご相談は代表がそのまま担当します。

担当者のプロフィールを見る利益が残らない原因を6つに分ける

よくあるご質問

値上げすると、どのくらいお客さまが離れますか?
一律には言えません。ただ、離れる人と残る人には傾向があります。値段だけで選んでいた人は離れやすく、利便性や関係性で選んでいた人は残りやすい。だから「うちのお客さまはどちらが多いか」を先に見ます。全員が同じ反応をする前提で考えると、実際より不安が大きくなります。
全部の商品を一律で上げてはいけませんか?
一律が最も離れやすいやり方です。商品ごとに「上げても離れにくいもの」と「離れやすいもの」があり、それは購入の頻度と代わりの有無で決まります。毎日買うもの・他店と比べやすいものは離れやすく、たまにしか買わないもの・代わりが効かないものは離れにくい。ここを分けてから、離れにくいものから上げます。
値上げのお知らせは、いつ出すべきですか?
実施の1〜2か月前が目安です。直前だと不誠実に見え、早すぎると駆け込み購入のあとに反動が来ます。加えて、常連のお客さまには一斉告知の前に直接お伝えするほうが、関係が保たれます。「知らされていなかった」という感情が、値段そのものより離反を招くためです。
値上げしたあと、何を見ればいいですか?
客数と客単価を、分けて追ってください。売上だけを見ていると判断できません。客数が5%減っても客単価が15%上がっていれば成功ですが、売上の合計だけを見ていると「思ったより伸びていない」としか分かりません。加えて、離れたのが新規なのか常連なのかも分けます。常連が離れているなら、伝え方に問題があります。
値上げせずに利益を増やす方法はありませんか?
あります。買い方の設計を変えて客単価を上げる、購入頻度を増やす、原価の構成を見直す。値上げは選択肢の一つであって、唯一の手ではありません。ただし、原価が上がり続けている状況では、いずれ値上げが必要になります。他の手で時間を稼ぎながら、準備を進めるのが現実的です。
相談だけしたい場合も費用はかかりますか?
初回のご相談は60分無料です。オンラインでも対応しています。無理な勧誘はいたしません。費用対効果が合わないと判断した場合は、その旨をお伝えします。

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