利益が残らない会社の原因を、6つに分ける

売上はある。忙しくもある。それなのに、手元に利益が残らない。
この状態の原因は、6つのどれかです。 どれに当てはまるかが分かれば、次にやることは自動的に決まります。

逆に言えば、原因を特定しないまま「まず売上を増やそう」と動くのが、いちばん危ない選択です。 原因が1番(値付け)や5番(採算の見えない商品)だった場合、売上を増やすほど損失が増えます。 順番を間違えると、努力がそのまま赤字になります。

まず、どれに当てはまるかを見てください

1売った時点で、利益が出ない値段になっている

当てはまる会社の口ぐせ:「忙しいのに残らない」

売上から材料費などの変動費を引いた残りを限界利益と呼びます。ここが家賃や人件費を賄えていなければ、売れば売るほど苦しくなります。値引きの影響も、利益率によってまるで違います。利益率が10%の商品を1割引きすれば、その取引の利益はゼロです。

2原価が上がった分だけ、値上げしている

当てはまる会社の口ぐせ:「上げたのに、去年と変わらない」

同じ額を乗せれば、粗利の「金額」は守れます。守れるだけで、増えはしません。その間に人件費も電気代も上がっているなら、増えた分は丸ごと営業利益から引かれます。必要なのは「原価の上昇額 + 増えた固定費 ÷ 販売数量」。原価が20円上がり固定費が月2万円増えて月1,000個売るなら、20円ではなく40円です。

3値上げの交渉が、通っていない

当てはまる会社の口ぐせ:「言いにくい。切られるのが怖い」

国の調査では、価格交渉が行われた割合は90.7%まで上がりました。一方で実際の転嫁率は54.2%、労務費に限れば50.0%です。交渉の場には出られるようになったが、通っていない。通すには、相手の担当者が社内で稟議を通せる形の資料が要ります。

4固定費を回収できる売上に、届いていない

当てはまる会社の口ぐせ:「いくら売れば黒字なのか、答えられない」

損益分岐点とは、そこを超えれば黒字になる売上高のことです。この数字を出していない会社は、目標が「去年より上」しかありません。出してみると、あと何件・何個で届くのかが具体的になります。同時に、その基準を下げる方法も見えてきます。

5どの商品・どの仕事が儲かっているか、分からない

当てはまる会社の口ぐせ:「全体では黒字なので、細かくは見ていない」

原価が全社まとめてしか出ていないと、赤字の品目を黒字の品目が埋めている状態に気づけません。全部を精密に出す必要はありません。売上上位のいくつかだけ、材料費と、かかっている時間を人件費に換算する。これだけで十分に見つかります。

6利益は出ているのに、現金が無い

当てはまる会社の口ぐせ:「黒字なのに、支払いが苦しい」

利益と現金は一致しません。回収が支払いより遅い、在庫が増えている、返済が利益を超えている。この3つが典型です。損益計算書だけを見ていると気づけません。月ごとの入りと出を並べれば、どこで詰まっているかが1枚で分かります。

複数に当てはまったときの順番

たいていの会社は、2つ以上に当てはまります。そのとき、 手をつける順番は決まっています。

やること理由
1 6番(資金繰り)があれば、まずここ 現金が尽きると、他がどれだけ正しくても終わります
2 1番・5番(値付けと採算) ここを直さずに売上を増やすと、損失が増えます
3 2番・3番(値上げと交渉) 効果は大きい一方、相手のある話なので時間がかかります
4 4番(損益分岐点) 目標の置き直し。上の3つを直したあとに引き直します

数字が苦手でも、できます

ここまで読んで「うちには経理の担当もいないし、そんな分析はできない」と思われたかもしれません。 専用のシステムは要りません。 必要なのは、決算書と、会計ソフトやレジから出せる範囲のデータ、それとエクセルだけです。

難しい統計も使いません。実際にお伝えしているのは 「まず見るべき5つの数字」といった単純なものです。 専門用語を使わずに説明できないことは、こちらの説明が足りていないと考えています。

担当するのは

中小企業診断士(経済産業大臣登録)の吉田直樹が担当します。 製鋼プロセスの技術開発に6年、設備診断に20年携わり、 製造の現場で「どこに、いくらかかっているか」を実際に数えてきました。 帳簿の上だけの分析ではなく、その数字がどう作られているかを知ったうえでお話しします。

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よくあるご質問

売上は前年より増えているのに、利益が減っています。なぜですか?
多いのは、原価が上がった分をそのまま価格に乗せただけ、という状態です。同じ額を上乗せすれば、粗利の「金額」は守れます。問題は、上がったのが原価だけではないことです。人件費も電気代も運賃も上がっているなら、粗利の金額が去年と同じままでは、増えた固定費の分だけ営業利益が減ります。必要な値上げ額は「原価の上昇額 + 増えた固定費 ÷ 販売数量」です。もう一つ多いのが、増えた売上が「利益の薄い商品」で構成されている場合です。どの商品が伸びたのかを分けて見ると、原因がはっきりします。
利益は出ているはずなのに、手元にお金がありません。
利益と現金は別物です。売掛金の回収が支払いより遅い、在庫が増えている、借入の返済が利益を超えている。この3つが典型です。損益計算書だけを見ていると気づけません。月ごとの入りと出を並べた資金繰り表を作ると、どこで詰まっているかが1枚で分かります。エクセルで足ります。
値上げをすると、お客さまが離れてしまいませんか?
全商品を一律に上げると離れます。実際には「上げても離れにくいもの」と「離れやすいもの」があり、それは購入の頻度と代わりの有無で決まります。データで分けてから、離れにくいものから上げていく順番があります。加えて、値上げの前後で客数を追える形にしておくことが大事です。追えないまま上げると、成功も失敗も判断できません。
どの商品が儲かっているのか、社内で誰も分かりません。
製造業や飲食業で非常に多い状態です。原価が全社まとめて計算されていて、製品ごと・メニューごとに分かれていないためです。全部を精密に出す必要はありません。売上の上位数品目だけを取り出して、材料費と、その品目にかかっている時間を人件費に換算する。これだけで、赤字のまま作り続けていた品目が見つかることがあります。
取引先に価格転嫁の交渉をしても通りません。
国の調査では、価格交渉が行われた割合は90.7%まで上がっている一方、実際の転嫁率は54.2%にとどまっています(経済産業省・中小企業庁「価格交渉促進月間(2026年3月)フォローアップ調査」2026年6月26日公表、回答69,625社)。つまり「交渉の場には出られるが、通らない」が現状です。通る交渉には持ち物があります。何がどれだけ上がったかを、相手の担当者が社内で稟議を通せる形にして渡せているかどうかで、結果が変わります。
相談だけしたい場合も費用はかかりますか?
初回のご相談は60分無料です。オンラインでも対応しています。その場で、どの原因に当てはまりそうかまでは一緒に見ます。無理な勧誘はいたしません。費用対効果が合わないと判断した場合は、その旨をお伝えします。

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